舌によるスティック操作と力感覚特性の計測

「1. はじめに」舌は, 優れた運動機能と触力覚機能を有し, 四肢に障がいを有する人にとっては, 外部機器からの情報取得やその操作を可能とする有効な残存器官と言える. これまでに舌の運動能力を利用した数多くの操作デバイスが提案されてきた. 例えば, 人工口蓋プレート上に配置した圧力センサスイッチによる意思伝達装置や上顎に張り付けて使用する小型の口内ジョイスティックシステムなどがある. また, 舌先の多彩な動きを3次元カメラ(Kinectセンサ)で捉えて, 機器操作への利用を試みるものや, 舌に磁石を埋め込み, 口周辺に配置した磁気センサで計測した位置情報を車椅子の制御に利用するものなどが報告さ...

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Bibliographic Details
Published in人間工学 Vol. 52; no. 3; pp. 134 - 140
Main Authors 梶川, 伸哉, 高野, 遼太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 2016
日本人間工学会
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.52.134

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Summary:「1. はじめに」舌は, 優れた運動機能と触力覚機能を有し, 四肢に障がいを有する人にとっては, 外部機器からの情報取得やその操作を可能とする有効な残存器官と言える. これまでに舌の運動能力を利用した数多くの操作デバイスが提案されてきた. 例えば, 人工口蓋プレート上に配置した圧力センサスイッチによる意思伝達装置や上顎に張り付けて使用する小型の口内ジョイスティックシステムなどがある. また, 舌先の多彩な動きを3次元カメラ(Kinectセンサ)で捉えて, 機器操作への利用を試みるものや, 舌に磁石を埋め込み, 口周辺に配置した磁気センサで計測した位置情報を車椅子の制御に利用するものなどが報告されている. また, 下顎底部に張り付けた筋電センサにより, 舌骨上筋群の筋電活動の測定から舌運動の推定を行い, マウス操作を実現しているものもある. 一方で, 電極アレイによる電気刺激によって触感覚を舌に呈示するデバイスも開発されている.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.52.134