運動中にペーシング不全を呈した両心室ペーシング移植後心アミロイドーシスの1例
症例は68歳, 男性. 以前から家族性トランスサイレチンアミロイドーシス, 7年前に脳梗塞を契機に心アミロイドーシスの診断も受けた. NYHA IIIの心不全, 左脚ブロックを認め, 植込み型除細動器付き両心室ペースメーカー(cardiac resyncronization therapy defibrillator; CRTD)移植を行った. 移植後4カ月ごろから失神前症状を伴う運動誘発性の洞停止を繰り返し, ペースメーカーの設定変更で症状が改善したが, 約1年4カ月後に運動耐容能の著明な低下を認めた. 精査の結果, 運動中の両室ペーシング不全が原因とわかり, 非競合心房ペーシングと, 心室...
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Published in | 心臓 Vol. 44; no. 3; pp. 315 - 321 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2012
日本心臓財団 |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.44.315 |
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Summary: | 症例は68歳, 男性. 以前から家族性トランスサイレチンアミロイドーシス, 7年前に脳梗塞を契機に心アミロイドーシスの診断も受けた. NYHA IIIの心不全, 左脚ブロックを認め, 植込み型除細動器付き両心室ペースメーカー(cardiac resyncronization therapy defibrillator; CRTD)移植を行った. 移植後4カ月ごろから失神前症状を伴う運動誘発性の洞停止を繰り返し, ペースメーカーの設定変更で症状が改善したが, 約1年4カ月後に運動耐容能の著明な低下を認めた. 精査の結果, 運動中の両室ペーシング不全が原因とわかり, 非競合心房ペーシングと, 心室後心房不応期(post ventricular atrial refractory period; PVARP)の調整により回避した. 運動中に再現性を持ってペーシング不全が出現し, CRTDの作動を詳細に検討することにより回避し得た貴重な症例であることから報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.44.315 |