柏崎市と小千谷市の住民における頸動脈微小栓子シグナルと循環器疾患との関連性について

背景：地震被災地域の柏崎市および小千谷市の住民を対象に，貼り付け型ドプラープローブを用い，総頸動脈で微小栓子シグナル（high intensity transient signals；HITS）の検出を行った．深部静脈血栓症（deep vein thrombosis；DVT）は被災地住民で検出されているが，頸動脈HITSが心血管疾患などに関連するかどうかを調べた．　目的・方法：2016～2017年に柏崎市および小千谷市の902人の住民を対象にスクリーニングを実施した．HITSは，頸動脈で5分間，2.0 MHz貼り付け型プローブを使用し検出した．　結果：頸動脈HITSは78人（8.6％）で検出さ...

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Published in心臓 Vol. 52; no. 7; pp. 717 - 721
Main Authors 榛沢, 和彦, 伊倉, 真衣子, 中島, 孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.07.2020
日本心臓財団・日本循環器学会
Subjects
cardiovascular disease
embolism
high intensity transient signals
preventive medicine
ultrasound
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Summary:背景：地震被災地域の柏崎市および小千谷市の住民を対象に，貼り付け型ドプラープローブを用い，総頸動脈で微小栓子シグナル（high intensity transient signals；HITS）の検出を行った．深部静脈血栓症（deep vein thrombosis；DVT）は被災地住民で検出されているが，頸動脈HITSが心血管疾患などに関連するかどうかを調べた．　目的・方法：2016～2017年に柏崎市および小千谷市の902人の住民を対象にスクリーニングを実施した．HITSは，頸動脈で5分間，2.0 MHz貼り付け型プローブを使用し検出した．　結果：頸動脈HITSは78人（8.6％）で検出された．頸動脈HITS陽性群の有意な危険因子は，性別，年齢，糖尿病，脳・心血管疾患（cerebro-cardiovascular diseases；CCVDs），心房細動だった．HITS陽性群のうちCCVDsがみつかったのは78人中24人（30.8％），発作性心房細動を含む心房細動（AF/PAF：atrial fibrillation/paroxysmal atrial fibrillation）は78人中14人（17.9％）で認められた．　結論：貼り付け型プローブによる頸動脈HITS検出は，急性循環器疾患のスクリーニングに役立つ可能性が示唆された．
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.52.717