レニン軽度高値アルドステロン基準値内で血管エコーが診断に有用であった腎血管性高血圧の1例

56歳, 男性. 2008年5月の検診でI度高血圧を指摘されていた. 2010年5月の検診で血圧182/100mmHgに上昇し, 当科受診した. III度高血圧と診断し, 2次性スクリーニングで食後随時のレニン活性は軽度高値6.5ng/mL/時 (0.3~5.4), アルドステロン基準値内であった. 朝絶食し30分の安静臥位で再検し, レニン13ng/mL/時 (0.3~2.9) と基準上限値の4倍に上昇していたが, アルドステロンは基準値内であった. 腎血管エコーでは, 左腎動脈収縮期最高流速が3.4m/秒, 腎動脈と大動脈の収縮期最高流速の比が4.4と上昇し, 狭窄が疑われた. CTで左腎...

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Published in心臓 Vol. 45; no. 3; pp. 307 - 311
Main Authors 西田, 知夏, 網屋, 俊, 坪内, 博仁, 青崎, 眞一郎, 濱田, 富志夫, 福岡, 嘉弘, 那須, 雄一郎, 重信, 秀峰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2013
日本心臓財団・日本循環器学会
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.45.307

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Summary:56歳, 男性. 2008年5月の検診でI度高血圧を指摘されていた. 2010年5月の検診で血圧182/100mmHgに上昇し, 当科受診した. III度高血圧と診断し, 2次性スクリーニングで食後随時のレニン活性は軽度高値6.5ng/mL/時 (0.3~5.4), アルドステロン基準値内であった. 朝絶食し30分の安静臥位で再検し, レニン13ng/mL/時 (0.3~2.9) と基準上限値の4倍に上昇していたが, アルドステロンは基準値内であった. 腎血管エコーでは, 左腎動脈収縮期最高流速が3.4m/秒, 腎動脈と大動脈の収縮期最高流速の比が4.4と上昇し, 狭窄が疑われた. CTで左腎動脈起始部の狭窄を認め, 腎血管性高血圧と診断した. アルドステロンが基準値内でも, 条件を最適化し, レニンを再検することが重要であり, 腎血管エコーが診断に有用であった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.307