原発性鎖骨下静脈血栓症(Paget-Schroetter症候群)—3例の治療経験と本邦報告例の検討
●要 約:原発性鎖骨下静脈血栓症(Paget-Schroetter症候群)は静脈性胸郭出口症候群および特発性鎖骨下静脈血栓からなり,アルゴリズムに従った治療法が普及しつつある.3例の原発性鎖骨下静脈血栓症を保存的(血栓溶解療法,抗凝固療法)に治療し,1例は良好な鎖骨下静脈の開存を得ることができ,1例は狭窄を残したものの再開通を得ることができた.1例は鎖骨下静脈に閉塞を認めたが,豊富な側副血行路の発達を認めた.3例とも症状は完全に消失し社会復帰を果たした.本邦論文報告86例の中で,治療後の開存性の記載のある42例に関し検討し,本邦の治療の現状を概観するとともに,当院の治療方針を構築したので報告...
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Published in | 静脈学 Vol. 24; no. 1; pp. 71 - 77 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本静脈学会
2013
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0915-7395 2186-5523 |
DOI | 10.7134/phlebol.24.71 |
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Summary: | ●要 約:原発性鎖骨下静脈血栓症(Paget-Schroetter症候群)は静脈性胸郭出口症候群および特発性鎖骨下静脈血栓からなり,アルゴリズムに従った治療法が普及しつつある.3例の原発性鎖骨下静脈血栓症を保存的(血栓溶解療法,抗凝固療法)に治療し,1例は良好な鎖骨下静脈の開存を得ることができ,1例は狭窄を残したものの再開通を得ることができた.1例は鎖骨下静脈に閉塞を認めたが,豊富な側副血行路の発達を認めた.3例とも症状は完全に消失し社会復帰を果たした.本邦論文報告86例の中で,治療後の開存性の記載のある42例に関し検討し,本邦の治療の現状を概観するとともに,当院の治療方針を構築したので報告する. |
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ISSN: | 0915-7395 2186-5523 |
DOI: | 10.7134/phlebol.24.71 |