オフィスウロロジーでのProstate Health Index (phi) の有用性の検討
目 的:前立腺がんの診断のためのバイオマーカーとしてのProstate Health Index(phi)の診断精度を一般診療所の泌尿器科診療(オフィスウロロジー)での施行例から検討する.方 法:前立腺特異抗原(PSA)がグレイゾーンでphiを測定した147例について,PSA,遊離型PSA/総PSA(F/T PSA),総PSA/前立腺容積(PSAD)との相関を調べた.そのうち組織検査を施行した30例について各指標の診断精度を調べ,臨床的診察所見と画像診断所見を加味して検討した.結 果:phiはF/T PSAと緩い負の相関,PSA,PSADと緩い正の相関あり.組織検査で診断が確定したがん12例(...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 73; no. 4; pp. 299 - 304 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.11.2023
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Subjects | |
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Summary: | 目 的:前立腺がんの診断のためのバイオマーカーとしてのProstate Health Index(phi)の診断精度を一般診療所の泌尿器科診療(オフィスウロロジー)での施行例から検討する.方 法:前立腺特異抗原(PSA)がグレイゾーンでphiを測定した147例について,PSA,遊離型PSA/総PSA(F/T PSA),総PSA/前立腺容積(PSAD)との相関を調べた.そのうち組織検査を施行した30例について各指標の診断精度を調べ,臨床的診察所見と画像診断所見を加味して検討した.結 果:phiはF/T PSAと緩い負の相関,PSA,PSADと緩い正の相関あり.組織検査で診断が確定したがん12例(がん陽性率40%),非がん18例において,phiの診断精度は27.2をカットオフ値とした時に感度91.7%,特異度27.8%,陽性的中率45.8%,陰性的中率83.3%で不要な組織検査を27.8%減らすことができ,他の指標と比較してphiの診断精度が高かった.組織検査をした症例中,直腸診,超音波検査画像,MRI画像で異常所見のない15例に限ると,カットオフ値を35.1としても感度100%を維持したまま特異度は63.6%で,このような症例群ではF/T PSAとPSADは無効である反面phiは高い診断精度を示した.結 語:phiは従来の指標に比較して診断精度が高いことが一般診療所においても示された.また臨床的診察所見,画像診断所見と併せて用いることでより高い有効性を発揮することが示された. |
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ISSN: | 1343-2826 1881-1191 |
DOI: | 10.2974/kmj.73.299 |