肥満妊婦と高度肥満妊婦の周産期予後に関する検討
肥満妊婦では母体合併症のリスクが高く妊娠管理や分娩方法の検討が重要であるが,肥満の程度による周産期合併症の発症リスクへの影響はわかっていない.そこで本研究は,2017年1月〜2022年12月に医療法人豊田会刈谷豊田総合病院において妊娠,分娩管理を行った妊婦を対象とし,妊娠30週時点でのBMIを用いて肥満群(30 ≦ BMI < 35)と高度肥満群(35 ≦ BMI)で周産期合併症と患者背景を比較した.高度肥満群では高血圧合併,HDP合併が有意に多く,MSW介入率も高かった.帝王切開症例においては,高度肥満群で麻酔導入時間,手術時間は有意に長く,全身麻酔例,坐位での区域麻酔例は有意に多かった.児...
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Published in | 日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 59; no. 3; pp. 354 - 359 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
2023
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Subjects | |
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Summary: | 肥満妊婦では母体合併症のリスクが高く妊娠管理や分娩方法の検討が重要であるが,肥満の程度による周産期合併症の発症リスクへの影響はわかっていない.そこで本研究は,2017年1月〜2022年12月に医療法人豊田会刈谷豊田総合病院において妊娠,分娩管理を行った妊婦を対象とし,妊娠30週時点でのBMIを用いて肥満群(30 ≦ BMI < 35)と高度肥満群(35 ≦ BMI)で周産期合併症と患者背景を比較した.高度肥満群では高血圧合併,HDP合併が有意に多く,MSW介入率も高かった.帝王切開症例においては,高度肥満群で麻酔導入時間,手術時間は有意に長く,全身麻酔例,坐位での区域麻酔例は有意に多かった.児の転帰においてはNICU入院率に有意差はなかった.本結果より,肥満妊婦の妊娠・分娩管理では産科的だけでなく社会的,内科的,麻酔科的リスクを考慮した管理が肝要と考えられる. |
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ISSN: | 1348-964X 2435-4996 |
DOI: | 10.34456/jjspnm.59.3_354 |