CABGにおける大伏在静脈グラフトの長さの予測

背景:大動脈-右冠動脈後下行枝(4PD)バイパス術(A-C bypass)の適切な大伏在静脈グラフト(SVG)採取の長さを術前CTで予測が可能か調査した. 方法:術前に冠動脈three dimensional computed tomography(3D-CT)を行った冠動脈バイパス術(CABG)症例29例のうち,4PDにA-C bypassを行ったもの14例を対象とした.①3D-CTで予測される大動脈-4PD間の距離を計測(予測値).②術中に大動脈-4PD間の距離を計測(実測値).③用いたSVGの長さを計算(グラフト長).それらの整合性を評価した. 結果:①予測値の平均値は14.4±1.8 ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 50; no. 9; pp. 994 - 997
Main Authors 大内, 真吾, 満永, 義乃, 大山, 翔吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.09.2018
日本心臓財団・日本循環器学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:背景:大動脈-右冠動脈後下行枝(4PD)バイパス術(A-C bypass)の適切な大伏在静脈グラフト(SVG)採取の長さを術前CTで予測が可能か調査した. 方法:術前に冠動脈three dimensional computed tomography(3D-CT)を行った冠動脈バイパス術(CABG)症例29例のうち,4PDにA-C bypassを行ったもの14例を対象とした.①3D-CTで予測される大動脈-4PD間の距離を計測(予測値).②術中に大動脈-4PD間の距離を計測(実測値).③用いたSVGの長さを計算(グラフト長).それらの整合性を評価した. 結果:①予測値の平均値は14.4±1.8 cmであった.②実測値の平均値は15.5±1.6 cmであった.③グラフト長の平均値は16.3±1.9 cmであった.予測値,実測値,グラフト長の3群間で一元配置の分散分析を行うとp=0.0266であり,各群間をt検定で比較すると,予測値とグラフト長の間で有意差(p=0.0127)がみられた.平均値を比較すると実測値は予測値より約1.1 cm長く,グラフト長は予測値より約1.9 cm長かった. 結語:術前の3D-CT計測に比べ,実際のSVGの長さは平均1.9 cm長かった.術前3D-CT計測値より数cm長いSVGを採取すれば,必要最小限のSVG採取で済むと予想された.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.50.994