顔面神経麻痺を呈した顆粒球肉腫の2症例

顆粒球肉腫は骨髄細胞由来の腫瘤形成性腫瘍であり、本来骨髄内で増殖すべき顆粒球細胞が髄外で増殖し集積することでできる、非常にまれな腫瘍である。急性骨髄性白血病と深く関係しているとされており、骨髄性白血病の3.1-6.8%で生じるとされている。白血病により耳科症状をきたす症例は知られているが、腫瘤形成による顔面神経麻痺の報告は症例数が少なく、まれな病態である。今回我々は耳科症状で発症し顔面神経麻痺をきたした顆粒球肉腫の症例を経験した。白血病の既往のある患者において、顔面神経麻痺・耳科学的症状が出現した場合は、積極的に画像検査、骨髄検査などを行い、顆粒球肉腫の発生や白血病の再発を確認する必要があると...

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Published inOtology Japan Vol. 21; no. 1; pp. 36 - 42
Main Authors 廣瀬, 由紀, 田渕, 経司, 飛田, 忠道, 和田, 哲郎, 水本, 斉志, 金本, 彩恵, 原, 晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳科学会 2011
日本耳科学会
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Summary:顆粒球肉腫は骨髄細胞由来の腫瘤形成性腫瘍であり、本来骨髄内で増殖すべき顆粒球細胞が髄外で増殖し集積することでできる、非常にまれな腫瘍である。急性骨髄性白血病と深く関係しているとされており、骨髄性白血病の3.1-6.8%で生じるとされている。白血病により耳科症状をきたす症例は知られているが、腫瘤形成による顔面神経麻痺の報告は症例数が少なく、まれな病態である。今回我々は耳科症状で発症し顔面神経麻痺をきたした顆粒球肉腫の症例を経験した。白血病の既往のある患者において、顔面神経麻痺・耳科学的症状が出現した場合は、積極的に画像検査、骨髄検査などを行い、顆粒球肉腫の発生や白血病の再発を確認する必要があると考えられた。
ISSN:0917-2025
1884-1457
DOI:10.11289/otoljpn.21.36