尿管ステント抜去により腎盂腎炎を繰り返した尿管坐骨孔ヘルニアの1例

症例は89歳女性. 左下腿浮腫の精査目的に施行したCTで偶発的に左水腎症, 左尿管坐骨孔ヘルニアを認めた. 尿管ステントを留置し, 両所見が改善したためステント抜去したところ, 17ヶ月後にヘルニア再発に伴う腎盂腎炎で加療を要し, 再度尿管ステントを留置した. その後, 交換の苦痛が強く再度抜去したところ, 1年後にヘルニア再発に伴う腎盂腎炎, sepsis, DICとなった. 一命は取り留めたが, 今後はステントを抜去できない状況となった. 文献的にはステントを抜去しても尿管坐骨孔ヘルニアの再発を認めないものが多数であるが, ステント抜去は慎重に行うべきであり, 可能であれば再発時に手術を考...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 31; no. 2; pp. 277 - 280
Main Authors 橋本, 邦宏, 鵜飼, 麟三, 内藤, 美季
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 2018
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.31.277

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Summary:症例は89歳女性. 左下腿浮腫の精査目的に施行したCTで偶発的に左水腎症, 左尿管坐骨孔ヘルニアを認めた. 尿管ステントを留置し, 両所見が改善したためステント抜去したところ, 17ヶ月後にヘルニア再発に伴う腎盂腎炎で加療を要し, 再度尿管ステントを留置した. その後, 交換の苦痛が強く再度抜去したところ, 1年後にヘルニア再発に伴う腎盂腎炎, sepsis, DICとなった. 一命は取り留めたが, 今後はステントを抜去できない状況となった. 文献的にはステントを抜去しても尿管坐骨孔ヘルニアの再発を認めないものが多数であるが, ステント抜去は慎重に行うべきであり, 可能であれば再発時に手術を考慮する必要性が示された.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.31.277