発作性心房細動が神経調節性失神の原因と考えられ, カテーテルアブレーションで治療できた1例

• Published in: 心臓 Vol. 44; no. 5; pp. 564 - 570
• Main Authors: 丸山, 尚樹, 白石, 裕一, 畔柳, 彰, 白山, 武司, 中村, 猛, 山野, 哲弘, 松室, 明義, 沢田, 尚久, 松原, 弘明
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益財団法人 日本心臓財団 2012; 日本心臓財団・日本循環器学会
• Subjects: 発作性心房細動; 神経調節性失神; 肺静脈隔離術
• ISSN: 0586-4488; 2186-3016
• DOI: 10.11281/shinzo.44.564

67歳, 男性. 過去20年間に4回, 動悸に伴って短時間の意識消失を認めていた. 胃癌根治術目的に入院中, 発作性心房細動に続く失神発作をきたして徐脈頻脈症候群と診断され, 永久ペースメーカを植え込まれた. しかし, 植え込み後3カ月の間に2度の失神発作を認めたため当院紹介. Head- up tilt testにて, 無投薬立位で血管抑制反応を認め, isoproterenol負荷立位で短時間の心房細動発作と血圧低下を伴う前失神を認めた. 発作性心房細動に続く血圧低下が失神発作の原因と考え, カテーテルアブレーションにより肺静脈隔離術を施行した. 洞結節回復時間は正常範囲であった. 以後, 心房細動は再発せず失神発作も消失した. ペースメーカ植え込み後も失神し, 発作性心房細動による血圧抑制反応(神経調節性失神)が原因と考えられ, 失神の治療上, 示唆に富む症例と考えられた.