血管機能検査CAVIは腎機能の低下を反映する

近年,慢性腎臓病(CKD)は動脈硬化を反映し促進すると報告されており,早期から腎機能並びに動脈硬化進展度を評価する必要がある.今回我々は頸動脈超音波検査とCAVI計測を同時に行った症例において,CAVI,頸動脈IMT,stiffness βの3指標の中で腎機能を中心とした各種指標と最も関連性があるのはいずれか比較検討した.対象期間2012年5月~2012年12月の間に頸動脈超音波検査とCAVIを同時に施行した患者計260例を対象とした.結果,腎機能の指標であるeGFRとCAVIならびにmean IMTはeGFR値との間に有意な負の相関を認め,eGFRの低下と共にCAVIやmean IMTは高値...

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Published in医学検査 Vol. 63; no. 5; pp. 529 - 534
Main Authors 寺西, ふみ子, 浅岡, 伸光, 駒, 美佳子, 伊藤, 亜矢子, 星田, 四朗, 細井, 亮二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.09.2014
日本臨床衛生検査技師会
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.13-90

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Summary:近年,慢性腎臓病(CKD)は動脈硬化を反映し促進すると報告されており,早期から腎機能並びに動脈硬化進展度を評価する必要がある.今回我々は頸動脈超音波検査とCAVI計測を同時に行った症例において,CAVI,頸動脈IMT,stiffness βの3指標の中で腎機能を中心とした各種指標と最も関連性があるのはいずれか比較検討した.対象期間2012年5月~2012年12月の間に頸動脈超音波検査とCAVIを同時に施行した患者計260例を対象とした.結果,腎機能の指標であるeGFRとCAVIならびにmean IMTはeGFR値との間に有意な負の相関を認め,eGFRの低下と共にCAVIやmean IMTは高値を示した.すなわち,腎機能の悪化とこれら2指標による動脈硬化進展には関連性があるとの結果が得られた.一方,stiffness βはeGFRと有意な相関は認められなかった.eGFR値をG-1:eGFR ≧ 90,G-2:60 ≦ eGFR < 90,G-3:eGFR < 60(mL/min/1.73 m2)に群分けして検討した結果,G-1とG-2の間ではCAVIもmean IMTも有意差を認めこの時期の腎機能の変動に追随してこれらの2指標は変化していたが,G-2とG-3の間ではCAVIのみ有意差を認めた.これより,CAVIが最も腎機能の変動と関連があり,腎機能分類を鋭敏に反映する指標と考えられた.
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.13-90