未熟児動脈管開存症治療におけるイブプロフェン初回投与量の検討 ─10mg/kgと5mg/kg以下の比較

未熟児動脈管開存症(PDA)の治療におけるイブプロフェン(IBU)の標準的初回投与量は10mg/kgであるが,それを5mg以下にした場合の治療効果,副作用について検討した報告はみられない. 我々は,IBUの初回投与量が10mg/kgの標準用量群と3-5mg/kgに減量した低用量群において,初回投与前後の尿量,血清クレアチニン値,3回投与までの治療効果などについて比較を行った.結果として,IBU投与後の尿量は標準用量群では投与前と比べて有意な減少を認めたが,低用量群では投与前後で尿量の変化を認めなかった.血清クレアチニン値は両群とも軽度の上昇であった.3回投与までの治療有効率は標準用量群で66....

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Published in日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 60; no. 2; pp. 234 - 239
Main Authors 加藤, 正也, 渡部, 功之, 吉原, 重美, 鈴村, 宏, 野村, 好平, 宮本, 学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本周産期・新生児医学会 2024
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ISSN1348-964X
2435-4996
DOI10.34456/jjspnm.60.2_234

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Summary:未熟児動脈管開存症(PDA)の治療におけるイブプロフェン(IBU)の標準的初回投与量は10mg/kgであるが,それを5mg以下にした場合の治療効果,副作用について検討した報告はみられない. 我々は,IBUの初回投与量が10mg/kgの標準用量群と3-5mg/kgに減量した低用量群において,初回投与前後の尿量,血清クレアチニン値,3回投与までの治療効果などについて比較を行った.結果として,IBU投与後の尿量は標準用量群では投与前と比べて有意な減少を認めたが,低用量群では投与前後で尿量の変化を認めなかった.血清クレアチニン値は両群とも軽度の上昇であった.3回投与までの治療有効率は標準用量群で66.7%,低用量群で81.5%であり,有意差は認めなかった. IBU低用量初回投与は尿量の減少をきたさず,標準用量と同等の治療効果があったことから,PDA治療において有用であると考えられる.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.60.2_234