右バルサルバ洞動脈瘤の限局性解離で発症した心筋梗塞の1例
症例は糖尿病, 脂質異常症, 統合失調症で近医通院中の77歳, 女性. 来院3日前に突然の胸部不快感があり, 徐々に食思不振が悪化し, 当院外来受診. 心電図上, II, III, aVFにてST上昇と異常Q波を認め, 経胸壁心エコー図で下壁と右室の壁運動の低下があり, 亜急性下壁心筋梗塞の診断となった. 緊急心臓カテーテル検査施行し, 右冠動脈の入口部で完全閉塞, さらに右バルサルバ洞に少量の造影剤の貯留を認めたため, 緊急造影CTを施行し, 右バルサルバ洞の拡大と偽腔内血栓を伴う限局性解離を認めた. 年齢とADLを考慮し, 内科的治療を行い, 入院第17病日に退院となった. 比較的良好な経...
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Published in | 心臓 Vol. 45; no. 4; pp. 475 - 481 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2013
日本心臓財団・日本循環器学会 |
Subjects | |
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Summary: | 症例は糖尿病, 脂質異常症, 統合失調症で近医通院中の77歳, 女性. 来院3日前に突然の胸部不快感があり, 徐々に食思不振が悪化し, 当院外来受診. 心電図上, II, III, aVFにてST上昇と異常Q波を認め, 経胸壁心エコー図で下壁と右室の壁運動の低下があり, 亜急性下壁心筋梗塞の診断となった. 緊急心臓カテーテル検査施行し, 右冠動脈の入口部で完全閉塞, さらに右バルサルバ洞に少量の造影剤の貯留を認めたため, 緊急造影CTを施行し, 右バルサルバ洞の拡大と偽腔内血栓を伴う限局性解離を認めた. 年齢とADLを考慮し, 内科的治療を行い, 入院第17病日に退院となった. 比較的良好な経過が得られ, 8カ月後に施行したCTでは右バルサルバ洞拡大は残存も偽腔内血栓と解離は消失していた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.45.475 |