敗血症から乳頭筋完全断裂のみを起こした感染性心内膜炎の1治験例

42歳,男性.呼吸困難を初発症状とし,その後発熱が続くも,COVID-19陰性で経過観察となっていたが,急性呼吸不全でECMO装着となった.感染性心内膜炎および急性僧帽弁逆流とそれによる急性肺水腫と診断し,準緊急で僧帽弁置換術を施行した.肉眼的には疣贅や弁破壊はなく,後乳頭筋が完全断裂していた.病理所見より,敗血症から徐々に乳頭筋梗塞,壊死を起こし断裂したと推測された.急性僧帽弁逆流による急性肺水腫であった.抗菌薬投与にて敗血症は制御されたが,下肢コンパートメント症候群を併発し治療に時間を要した....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 56; no. 2; pp. 155 - 158
Main Authors 長谷川, 秀臣, 齋藤, 文美恵, 湯本, 啓太, 松下, 明仁, 三原, 和平, 服部, 隆司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.02.2024
日本心臓財団・日本循環器学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.56.155

Cover

More Information
Summary:42歳,男性.呼吸困難を初発症状とし,その後発熱が続くも,COVID-19陰性で経過観察となっていたが,急性呼吸不全でECMO装着となった.感染性心内膜炎および急性僧帽弁逆流とそれによる急性肺水腫と診断し,準緊急で僧帽弁置換術を施行した.肉眼的には疣贅や弁破壊はなく,後乳頭筋が完全断裂していた.病理所見より,敗血症から徐々に乳頭筋梗塞,壊死を起こし断裂したと推測された.急性僧帽弁逆流による急性肺水腫であった.抗菌薬投与にて敗血症は制御されたが,下肢コンパートメント症候群を併発し治療に時間を要した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.56.155