エピネフリン負荷にて房室ブロックを認めたQT延長症候群2型の1症例
QT延長症候群はイオンチャネルに異常を有する疾患である.一部に伝導障害を合併するoverlap症例も存在し,その代表的な責任遺伝子はSCN5Aと報告されている.今回我々が経験した症例は17歳の女児で,15歳時の学校心臓検診にてQT延長を指摘された.トレッドミル運動負荷心電図検査で負荷後4分のQTc(B)は499 msecと有意に延長し,不整脈は認めなかった.エピネフリン負荷試験の0.05γと0.1γでは正常洞調律であったが,0.2γおよび0.3γでは房室ブロックを認め,エピネフリン投与を中止したところ正常洞調律に戻った.エピネフリンのα作用とβ作用により房室ブロックが生じたと考えられた....
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Published in | 心臓 Vol. 52; no. 5; pp. 539 - 543 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
15.05.2020
日本心臓財団・日本循環器学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.52.539 |
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Summary: | QT延長症候群はイオンチャネルに異常を有する疾患である.一部に伝導障害を合併するoverlap症例も存在し,その代表的な責任遺伝子はSCN5Aと報告されている.今回我々が経験した症例は17歳の女児で,15歳時の学校心臓検診にてQT延長を指摘された.トレッドミル運動負荷心電図検査で負荷後4分のQTc(B)は499 msecと有意に延長し,不整脈は認めなかった.エピネフリン負荷試験の0.05γと0.1γでは正常洞調律であったが,0.2γおよび0.3γでは房室ブロックを認め,エピネフリン投与を中止したところ正常洞調律に戻った.エピネフリンのα作用とβ作用により房室ブロックが生じたと考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.52.539 |