脳波検査におけるシステムリファレンス誘導の基礎と応用

デジタル脳波計を使用して脳波を記録するためには,システムリファレンスについての正確な知識を有することが必要である。システムリファレンスはデジタル脳波計のみに存在し,システムリファレンスに採用された電極は必ず装着しなければならない。システムリファレンスと各電極との電位差を保存することで,各電極単位のオリジナルデータが得られる。オリジナルデータを使用し演算することで,各モンタージュの脳波は描画され,記録後のリモンタージュ操作も可能となる。リモンタージュ操作を活用し,様々な誘導で波形を判読することで判読精度は向上する。また,通常の基準導出法では差動増幅器の故障を検出するのは困難であるため,患者毎に差...

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Published in医学検査 Vol. 68; no. 4; pp. 800 - 805
Main Authors 小野澤, 裕也, 鈴木, 淳子, 狩野, 有作, 棟方, 伸一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.10.2019
日本臨床衛生検査技師会
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.19-37

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Summary:デジタル脳波計を使用して脳波を記録するためには,システムリファレンスについての正確な知識を有することが必要である。システムリファレンスはデジタル脳波計のみに存在し,システムリファレンスに採用された電極は必ず装着しなければならない。システムリファレンスと各電極との電位差を保存することで,各電極単位のオリジナルデータが得られる。オリジナルデータを使用し演算することで,各モンタージュの脳波は描画され,記録後のリモンタージュ操作も可能となる。リモンタージュ操作を活用し,様々な誘導で波形を判読することで判読精度は向上する。また,通常の基準導出法では差動増幅器の故障を検出するのは困難であるため,患者毎に差動増幅器の故障を検出するためにシステムリファレンス誘導を記録することが必要となる。システムリファレンス誘導の原理を理解することは,耳朶電極活性化の影響を考慮した脳波判読における異常脳波の焦点決定にも有用と考えられる。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.19-37