大動脈二尖弁に胸部大動脈瘤を合併したRubinstein-Taybi症候群の1例

• Published in: 心臓 Vol. 50; no. 3; pp. 292 - 298
• Main Authors: 福田, 宏嗣, 豊田, 茂, 山岸, 秀嗣, 桐谷, ゆり子, 井上, 晃男, 有川, 拓男, 伊波, 秀, 堀, 貴行, 天野, 裕久, 大谷, 直由, 那須野, 尚久, 桒田, 俊之
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益財団法人 日本心臓財団 15.03.2018; 日本心臓財団・日本循環器学会
• Subjects: Rubinstein-Taybi 症候群; 上行大動脈瘤; 先天性心疾患; 大動脈二尖弁
• ISSN: 0586-4488; 2186-3016
• DOI: 10.11281/shinzo.50.292

症例は25歳，女性．健康診断の胸部単純X線写真にて心拡大を指摘され，胸部Computed Tomography（CT）で著明な胸部大動脈瘤を認め，精査目的に当院紹介受診となった．入院後，経胸壁心エコー図検査と経食道心エコー図検査で，大動脈基部の拡張を伴った大動脈二尖弁と上行大動脈瘤を認めた．大動脈基部の拡張を合併した上行大動脈瘤であり大動脈基部置換術と上行大動脈置換術を行った．Rubinstein-Taybi症候群（Rubinstein-Taybi syndrome；RTS）は，特徴的な身体的所見，知的障害，さまざまな先天的異常を特徴とする疾患として知られている．心疾患は本疾患の1/3に認められ，通常は心室中隔欠損，動脈管開存が多いが，より複雑な先天性病変も報告されている．今回我々は，RTSと診断された症例において，大動脈二尖弁を伴った胸部大動脈瘤を合併した1例を初めて経験したので報告する．