内耳正常な特発性髄液耳漏の1例
髄液性耳漏は主として頭蓋底の骨折, 手術, 真珠腫や腫瘍による骨破壊によるものが多いが, まれにその既往がなく, 特発性に発症する場合を特発性髄液耳漏という. 本疾患は先天性内耳奇形が原因となる小児型 (pediatric type) と内耳奇形を伴わない成人型 (adult type) とに分類され, 後者は少ないとされている. 最近, 我々は49歳の男性で突然の左難聴と左耳閉感を訴え, 当科受診し, 初期に滲出性中耳炎として加療されていた, この極めてまれな内耳奇形を伴わない成人型特発性髄液耳漏を手術的に治癒せしめることができ, 術後1年2ヵ月を経過するが, 今だに再発を認めていない症例を...
Saved in:
Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 95; no. 11; pp. 1815 - 1821,1895 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.11.1992
日本耳鼻咽喉科学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.95.1815 |
Cover
Summary: | 髄液性耳漏は主として頭蓋底の骨折, 手術, 真珠腫や腫瘍による骨破壊によるものが多いが, まれにその既往がなく, 特発性に発症する場合を特発性髄液耳漏という. 本疾患は先天性内耳奇形が原因となる小児型 (pediatric type) と内耳奇形を伴わない成人型 (adult type) とに分類され, 後者は少ないとされている. 最近, 我々は49歳の男性で突然の左難聴と左耳閉感を訴え, 当科受診し, 初期に滲出性中耳炎として加療されていた, この極めてまれな内耳奇形を伴わない成人型特発性髄液耳漏を手術的に治癒せしめることができ, 術後1年2ヵ月を経過するが, 今だに再発を認めていない症例を経験したので, 本邦第3例目として報告した. |
---|---|
ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.95.1815 |