輸液ラインのリスク・マネジメント

臨床現場では, 栄養補給, 循環血漿量確保, 利尿などさまざまな目的で末梢輸液や中心静脈栄養輸液が用いられている. 輸液剤の投与に輸液ラインは欠かせない器具であり, 輸液, 輸液セット, 三方活栓, フィルターおよびカテーテルなど複数の器材を接続して作られる. その一方で輸液ラインを含むドレーン・チューブにかかわるインシデントの発生率は, 全インシデント中の約17%を占めていたことが報告されており, 病床数が多いほど発生率が高い傾向にある. 本稿では, 輸液ラインを安全かつ適正に使用するためのリスク・マネジメントについて概説する. 「I カテーテル感染症」カテーテル感染症は, 本来治療すべき疾...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 51; no. 5; pp. 225 - 233
Main Author 鈴木, 正彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 2017
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ISSN0389-5564
2187-5154
DOI10.11638/jssmn.51.5_225

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Summary:臨床現場では, 栄養補給, 循環血漿量確保, 利尿などさまざまな目的で末梢輸液や中心静脈栄養輸液が用いられている. 輸液剤の投与に輸液ラインは欠かせない器具であり, 輸液, 輸液セット, 三方活栓, フィルターおよびカテーテルなど複数の器材を接続して作られる. その一方で輸液ラインを含むドレーン・チューブにかかわるインシデントの発生率は, 全インシデント中の約17%を占めていたことが報告されており, 病床数が多いほど発生率が高い傾向にある. 本稿では, 輸液ラインを安全かつ適正に使用するためのリスク・マネジメントについて概説する. 「I カテーテル感染症」カテーテル感染症は, 本来治療すべき疾患の治療に悪影響を及ぼし, 病態の悪化や入院期間の延長など患者負担を増加させることから, 輸液の継続的もしくは間歇的な投与時にはカテーテル感染症に注意して輸液ラインを管理することが必要である.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.51.5_225