患者とその介護者に対して植込型補助人工心臓の機器取扱いのトレーニングを効率的に行う方法に関する検討
2011/4から2017/9までに保険償還されている植込型補助人工心臓(implantable ventricular assist device:iVAD)を装着した患者延べ128名とその介護者延べ330名を対象とし、機器取扱いのトレーニング終了時に行ったテストの実施回数を調査した。また、iVAD装着後3か月、6か月目に患者が行ったトレイルメイキングテスト(trail making test:TMT)-Bの結果とテストの実施回数との間に関連性があるか検討を行った。統計学的な検討ではFisherの正確検定を用い、p<0.05で有意差ありとした。3回以上にわたって評価を繰り返した患者および介護者...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 46; no. 4; pp. 377 - 381 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
2019
日本体外循環技術医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-2664 1884-5452 |
DOI | 10.7130/jject.46.377 |
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Summary: | 2011/4から2017/9までに保険償還されている植込型補助人工心臓(implantable ventricular assist device:iVAD)を装着した患者延べ128名とその介護者延べ330名を対象とし、機器取扱いのトレーニング終了時に行ったテストの実施回数を調査した。また、iVAD装着後3か月、6か月目に患者が行ったトレイルメイキングテスト(trail making test:TMT)-Bの結果とテストの実施回数との間に関連性があるか検討を行った。統計学的な検討ではFisherの正確検定を用い、p<0.05で有意差ありとした。3回以上にわたって評価を繰り返した患者および介護者の割合は、EVAHEART®、DuraHeart®、HeartMate II ®、Jarvik2000®の順にそれぞれ0、0、8.7、10.0%、0、0、5.8、11.3%であった。また、患者に対して行ったTMT-Bの検査結果とテストの実施回数との間には関連性が認められ(p=0.002)、その感度は29.1%、特異度は95.5%であった。以上より、TMT-Bの結果を参考にすることで効率的にトレーニングを進めることができる可能性はあるが、テストの実施回数はデバイスの種類に依存する傾向にあり、過去の検討からデバイスの種類(EVAHEART®、DuraHeart®、HeartMate II ®、Jarvik2000®)とヒューマンエラーの発生率との間に関連性が認められていることから、iVADのトレーニングを効率的に行うためにはユーザビリティを改善することが必要である。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/jject.46.377 |