1987年-2005年のわが国におけるインフルエンザ流行による超過死亡 性別, 年齢階層別, 死因別死亡による推定

「緒言」インフルエンザが流行するとき, 呼吸器系疾患をはじめとする各種死因の死亡数が, 非流行期の死亡数と比べて高くなるという現象は超過死亡と呼ぼれ, 古くから注目されてきた. WHOは, 1973年, 世界的規模でのインフルエンザ監視(発生動向と影響評価)に超過死亡を用いることを提案している(1,2). 我が国においても, インフルエンザの健康影響を総合的に評価する指標として超過死亡が用いられている(3,4). 超過死亡の推定方法としては, これまで, Serflingらの方法(5,6), Choiらの方法(7,8), 河合・福富らの方法(9,10), そして国立感染症研究所(以下, 感染研...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 63; no. 1; pp. 5 - 19
Main Authors 永井, 正規, 高橋, 美保子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 01.01.2008
日本衛生学会
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.63.5

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Summary:「緒言」インフルエンザが流行するとき, 呼吸器系疾患をはじめとする各種死因の死亡数が, 非流行期の死亡数と比べて高くなるという現象は超過死亡と呼ぼれ, 古くから注目されてきた. WHOは, 1973年, 世界的規模でのインフルエンザ監視(発生動向と影響評価)に超過死亡を用いることを提案している(1,2). 我が国においても, インフルエンザの健康影響を総合的に評価する指標として超過死亡が用いられている(3,4). 超過死亡の推定方法としては, これまで, Serflingらの方法(5,6), Choiらの方法(7,8), 河合・福富らの方法(9,10), そして国立感染症研究所(以下, 感染研)の方法(11,12), 著者らの方法(13), 及びSimonsenらの方法(14)などが提案されている. Serflingらの方法, Choiらの方法, 河合・福富らの方法はいずれも, インフルエンザ流行による超過死亡を, 「インフルエンザの流行がない場合(非流行時)の死亡数の期待値とインフルエンザ流行時の死亡数との差」と表現し, 非流行時の死亡数の期待値をそれぞれが提案するモデルから点推定し, これを実際の死亡数から減じることで超過死亡の点推定値を求めるものである.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.63.5