直腸に蜂窩織炎性大腸炎様病変を認めたCrohn病の一例
「はじめに」 Crohn病は口から肛門まで病変を認める原因不明の炎症性腸疾患である. 縦走潰瘍や敷石状粘膜等の典型的な内視鏡所見は広く知られているが, 今回直腸に蜂窩織炎性大腸炎様の非典型的な内視鏡所見を認め, 診断に難渋したCrohn病の症例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 40代男性. 主訴 : しぶり腹, 粘液便. 既往歴 : 30歳代で痔瘻に対して切開排膿術施行. 海外渡航歴 : なし. 現病歴 : X-1年に腸閉塞を発症し, 保存的加療で軽快した. その後, 腹痛・しぶり腹・粘液便が出現し, 下部消化管内視鏡検査(Colonoscopy : CS)で直腸炎と診断され, メ...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 100; no. 1; pp. 111 - 113 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
30.06.2022
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.100.1_111 |
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Summary: | 「はじめに」 Crohn病は口から肛門まで病変を認める原因不明の炎症性腸疾患である. 縦走潰瘍や敷石状粘膜等の典型的な内視鏡所見は広く知られているが, 今回直腸に蜂窩織炎性大腸炎様の非典型的な内視鏡所見を認め, 診断に難渋したCrohn病の症例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 40代男性. 主訴 : しぶり腹, 粘液便. 既往歴 : 30歳代で痔瘻に対して切開排膿術施行. 海外渡航歴 : なし. 現病歴 : X-1年に腸閉塞を発症し, 保存的加療で軽快した. その後, 腹痛・しぶり腹・粘液便が出現し, 下部消化管内視鏡検査(Colonoscopy : CS)で直腸炎と診断され, メサラジン製剤内服とステロイド局所製剤で加療されたが改善なく, 当院を紹介された. 初診時現症 : 身長167cm, 体重50kg(6ヶ月で6kgの体重減少あり), 血圧98/64mmHg, 脈拍82/min, 体温36.4℃. 腹部 : 平坦・軟, 圧痛なし, 明らかな腫瘤を触知せず. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.100.1_111 |