ソフトウェアキーボードの配色が文字入力速度と魅力評価に及ぼす影響

「1. はじめに」 これまでのキーボード研究の多くは, そのユーザビリティに焦点を当ててきた. しかしながら製品のデザインに関して, ユーザビリティだけでなく, 審美性など魅力の重要性が指摘されている1). これを受け羽田・臼井(2010)2)は, 黒色のキーボードに対して母音キーに赤色を配色すると入力速度が向上し, 魅力に関しても「独創的」という評価が向上することを示した. 特に入力速度に関しては, 配色がユーザーの注意を捕捉したことにより, 文字の探索速度が向上したと考えられる. すなわち, Card et al.3)のモデルヒューマンプロセッサにおける知覚のプロセスの所要時間が配色によっ...

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Published in人間工学 Vol. 48; no. 2; pp. 91 - 94
Main Authors 羽田, 裕哉, 臼井, 伸之介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 2012
日本人間工学会
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.48.91

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Summary:「1. はじめに」 これまでのキーボード研究の多くは, そのユーザビリティに焦点を当ててきた. しかしながら製品のデザインに関して, ユーザビリティだけでなく, 審美性など魅力の重要性が指摘されている1). これを受け羽田・臼井(2010)2)は, 黒色のキーボードに対して母音キーに赤色を配色すると入力速度が向上し, 魅力に関しても「独創的」という評価が向上することを示した. 特に入力速度に関しては, 配色がユーザーの注意を捕捉したことにより, 文字の探索速度が向上したと考えられる. すなわち, Card et al.3)のモデルヒューマンプロセッサにおける知覚のプロセスの所要時間が配色によって短縮されたと考えられる. 羽田・臼井(2010)の研究は物理キーボードに関するものであり, 近年急速に普及している携帯型タッチパネル機器におけるソフトウェアキーボードに関しては検討がなされていない. しかしながら, 文字キーの知覚のプロセスはソフトウェアキーボードでも違いがないと考えられる.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.48.91