内頸動脈解離で発症したEagle症候群に対し,頸動脈ステント留置術を施行した1例

症例は55歳の社交ダンス男性講師. 発症する1カ月前に右こめかみに拍動性の頭痛を自覚していたが, 自然に軽快したため様子をみていた. レッスンの最中に突然の左上下肢の脱力と喋りづらさがあり, 脳卒中疑いで当院へ救急搬送された. 来院時, 左顔面麻痺, 構音障害, 左手の巧緻運動障害を呈しており, 頭部MRIの拡散強調像で右大脳半球に急性期脳梗塞があり, MRAで右内頸動脈(Internal carotid artery:ICA)の閉塞を認めた. 禁忌事項がないことを確認し, 経静脈的血栓溶解療法および機械的血栓回収術をする方針とした. 右総頸動脈(Common carotid artery)か...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 21; no. 2; pp. 168 - 169
Main Authors 正田, 創太郎, 沓名, 章仁, 坂本, 路果, 鈴木, 文昭, 鈴木, 健太郎, 木村, 和美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 20.04.2025
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Summary:症例は55歳の社交ダンス男性講師. 発症する1カ月前に右こめかみに拍動性の頭痛を自覚していたが, 自然に軽快したため様子をみていた. レッスンの最中に突然の左上下肢の脱力と喋りづらさがあり, 脳卒中疑いで当院へ救急搬送された. 来院時, 左顔面麻痺, 構音障害, 左手の巧緻運動障害を呈しており, 頭部MRIの拡散強調像で右大脳半球に急性期脳梗塞があり, MRAで右内頸動脈(Internal carotid artery:ICA)の閉塞を認めた. 禁忌事項がないことを確認し, 経静脈的血栓溶解療法および機械的血栓回収術をする方針とした. 右総頸動脈(Common carotid artery)から血管撮影をすると, 右頸部ICAにstring signを認め, 内頸動脈解離によるICA閉塞と診断した. 術中に右共同偏倚および左半側空間無視が出現し, 緊急で頸動脈ステントを留置した. 術中から速やかに症状は改善した.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.21.168