本邦におけるエナメル上皮腫の病態と治療法に関する疫学的研究

1995年1月から2004年12月の10年間に本学会評議員が所属する61施設で,エナメル上皮腫と診断,治療された947症例に対してアンケートによる疫学的調査を実施した。性別は男性581例,女性366例であり,年代別にみると男性は20歳代で18.6%とピークを示し,女性では10歳代で23.2%とピークを示した。また部位では臼歯部が最も多く55.6%であった。臨床症状では疼痛が46.6%と最も多く,次いで腫脹が13.6%であった。エックス線所見は単房性が50.7%,多房性が40.4%であった。2005年のWHO歯原性腫瘍組織分類ではsolid/multicystic typeが74.5%と最も多く...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 21; no. 3; pp. 171 - 181
Main Authors 山田, 隆文, 柴原, 孝彦, 野村, 武史, 山口, 朗, 杉原, 一正, 箕輪, 和行, 森田, 章介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 2009
日本口腔腫瘍学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.21.171

Cover

More Information
Summary:1995年1月から2004年12月の10年間に本学会評議員が所属する61施設で,エナメル上皮腫と診断,治療された947症例に対してアンケートによる疫学的調査を実施した。性別は男性581例,女性366例であり,年代別にみると男性は20歳代で18.6%とピークを示し,女性では10歳代で23.2%とピークを示した。また部位では臼歯部が最も多く55.6%であった。臨床症状では疼痛が46.6%と最も多く,次いで腫脹が13.6%であった。エックス線所見は単房性が50.7%,多房性が40.4%であった。2005年のWHO歯原性腫瘍組織分類ではsolid/multicystic typeが74.5%と最も多く,次いでunicystic typeが17.0%,desmoplastic typeが4.1%,extraosseous/peripheral typeが3.0%であった。治療法では,顎骨保存療法(開窓145例15.9%,摘出開放創187例20.5%,摘出・掻爬289例31.8%を含む)が74.0%,顎骨切除療法が24.1%であった。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.21.171