シングルバルーン内視鏡にて治療し得た胆石イレウスの一例

「はじめに」 胆石イレウスは胆道消化管瘻を通過した胆石が腸管内に嵌頓し生じる. 胆石イレウスの治療は一般的に外科的治療が行われることが多く, 内視鏡的治療が奏功した報告は少ない. 今回, 小腸内視鏡下に治療し得た胆石イレウスの一例を経験したため, 若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」 患者 : 80代, 女性. 主訴 : 嘔吐. 既往歴 : 胆石性胆嚢炎(保存加療後). 現病歴 : 20XX年1月に慢性胆嚢炎と診断され, 耐術能がなく経過観察とされていた. 20XX年3月, 嘔吐症状が続き小腸閉塞の診断で前医に入院加療となった. 入院前のCT検査では胆嚢内結石を認めたが, 入院時には十二...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 100; no. 1; pp. 105 - 107
Main Authors 呉, 將禎, 國田, 康輔, 岡田, 幸子, 嘉数, 朝亮, 年森, 明子, 田邊, 万葉, 浦上, 尚之, 藤吉, ライナ, 井上, 晴洋, 横山, 登, 伊藤, 敬義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 30.06.2022
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「はじめに」 胆石イレウスは胆道消化管瘻を通過した胆石が腸管内に嵌頓し生じる. 胆石イレウスの治療は一般的に外科的治療が行われることが多く, 内視鏡的治療が奏功した報告は少ない. 今回, 小腸内視鏡下に治療し得た胆石イレウスの一例を経験したため, 若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」 患者 : 80代, 女性. 主訴 : 嘔吐. 既往歴 : 胆石性胆嚢炎(保存加療後). 現病歴 : 20XX年1月に慢性胆嚢炎と診断され, 耐術能がなく経過観察とされていた. 20XX年3月, 嘔吐症状が続き小腸閉塞の診断で前医に入院加療となった. 入院前のCT検査では胆嚢内結石を認めたが, 入院時には十二指腸内に結石を認めた. 胆石イレウス疑いとして経鼻イレウス管を挿入し減圧を行ったが, 小腸閉塞の改善は認めず, 加療目的に当院紹介となった. 来院時現症 : 血圧132/99mmHg, 脈拍102回/分, 呼吸16回/分, SpO2 93%(room air), 体温37.1℃, 腹部に膨満認めるも軟であり自発痛や圧痛は認めなかった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.100.1_105