膜型人工肺稼働中の蒸泄による水喪失量の検討

膜型人工肺は、血液中の水分を蒸泄し大気中に放出することが知られているが、その実態は必ずしも明らかではない。そこで、模擬体外循環回路を使い、膜型人工肺からの水分喪失量と吹送ガス流量、循環時間の関係を検討した。模擬体外循環回路は膜型人工肺(膜面積2.3m2)とローラーポンプから成り、生理食塩水334mLで充填した。水流量は4L/min、温度は37℃に維持した。今回用いた膜型人工肺では、吹送ガス流量を0L/min、4L/min、8L/minと変えて1時間循環させたときの水分喪失量は1.5±0.5mL/h/2.3m2、13.3±0.5mL/h/2.3m2、26.2±0.7mL/h/2.3m2で、吹送ガ...

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Published in体外循環技術 Vol. 45; no. 4; pp. 380 - 382
Main Authors 平松, 祐司, 重田, 治, 古垣, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2018
日本体外循環技術医学会
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/jject.45.380

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Summary:膜型人工肺は、血液中の水分を蒸泄し大気中に放出することが知られているが、その実態は必ずしも明らかではない。そこで、模擬体外循環回路を使い、膜型人工肺からの水分喪失量と吹送ガス流量、循環時間の関係を検討した。模擬体外循環回路は膜型人工肺(膜面積2.3m2)とローラーポンプから成り、生理食塩水334mLで充填した。水流量は4L/min、温度は37℃に維持した。今回用いた膜型人工肺では、吹送ガス流量を0L/min、4L/min、8L/minと変えて1時間循環させたときの水分喪失量は1.5±0.5mL/h/2.3m2、13.3±0.5mL/h/2.3m2、26.2±0.7mL/h/2.3m2で、吹送ガス流量と水分喪失量とに比例関係があり、1時間後の吹送ガス1Lあたりの水分喪失量は約3.1(mL/h/2.3m2)で表せることがわかった。また、この比例係数を用いた吹送ガス流量4L、24時間の推定水分喪失量は、実際の24時間循環させた場合の水分喪失量297.3mL/2.3m2と同等であった。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/jject.45.380