自動車運転時における不安全行動評価に関する実験的考察

交通事故の一要因として,ドライバの不安全行動が挙げられる.このドライバの不安全行動の誘発要因に,本研究においては,無意識的な潜在的態度が関与すると考えた.本研究は,この潜在的態度を測定する手法として,潜在連合テスト(Implicit Association Test,IAT)の適用を試み,これらIATによる被験者の評価とその被験者の運転行動との関連をもとに,IATがドライバの不安全行動の誘発要因における個人特性を評価する指標として有用であるかどうかを実証することを目的とする.まずIATを実施し,その結果に基づいて,被験者の一部を2群(上位25%と下位25%)に大別した.つぎに簡易なドライビング...

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Published in人間工学 Vol. 45; no. 2; pp. 99 - 109
Main Authors 舟越, 敬介, 末長, 修, 小谷, 政弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 2009
日本人間工学会
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.45.99

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Summary:交通事故の一要因として,ドライバの不安全行動が挙げられる.このドライバの不安全行動の誘発要因に,本研究においては,無意識的な潜在的態度が関与すると考えた.本研究は,この潜在的態度を測定する手法として,潜在連合テスト(Implicit Association Test,IAT)の適用を試み,これらIATによる被験者の評価とその被験者の運転行動との関連をもとに,IATがドライバの不安全行動の誘発要因における個人特性を評価する指標として有用であるかどうかを実証することを目的とする.まずIATを実施し,その結果に基づいて,被験者の一部を2群(上位25%と下位25%)に大別した.つぎに簡易なドライビングシミュレータを用いて,交差点付近の運転行動(平均速度,先行車両との車間距離など)を測定し,被験者群間におけるこれら運転行動の差異について検討した.その結果,IATがドライバの個人特性を評価する有用な一指標となりうる可能性を示すことができた.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.45.99