気管支鏡下クライオ療法により気管支内過誤腫を摘出した1例
背景.気管支内過誤腫の治療には高周波スネアやYAGレーザーなどの内視鏡的治療が主に選択されているが,クライオ療法の報告は少ない.症例.80歳女性.発熱と呼吸困難を認め前医を受診し,胸部X線・CT検査より右中間気管支幹を閉塞する腫瘍性病変と,それに伴う右肺中下葉の閉塞性肺炎と診断された.抗菌薬加療で肺炎は軽快したが,呼吸不全が残存したため在宅酸素療法(安静時・就寝時・労作時1 l/分)を開始され精査目的に当院に入院した.気管支鏡検査で直視下腫瘍生検を行い,右中間気管支幹の腫瘍性病変は良性腫瘍が疑われた.高齢であることや呼吸機能の温存を考慮し,外科的切除ではなく確定診断目的にクライオプローブを用い...
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Published in | 気管支学 Vol. 46; no. 4; pp. 236 - 240 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本呼吸器内視鏡学会
25.07.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.46.4_236 |
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Summary: | 背景.気管支内過誤腫の治療には高周波スネアやYAGレーザーなどの内視鏡的治療が主に選択されているが,クライオ療法の報告は少ない.症例.80歳女性.発熱と呼吸困難を認め前医を受診し,胸部X線・CT検査より右中間気管支幹を閉塞する腫瘍性病変と,それに伴う右肺中下葉の閉塞性肺炎と診断された.抗菌薬加療で肺炎は軽快したが,呼吸不全が残存したため在宅酸素療法(安静時・就寝時・労作時1 l/分)を開始され精査目的に当院に入院した.気管支鏡検査で直視下腫瘍生検を行い,右中間気管支幹の腫瘍性病変は良性腫瘍が疑われた.高齢であることや呼吸機能の温存を考慮し,外科的切除ではなく確定診断目的にクライオプローブを用いて腫瘍を摘出した.病理組織学的に気管支内過誤腫と診断し,摘出後から呼吸不全が改善され在宅酸素療法を離脱し退院した.1か月後の気管支鏡検査で腫瘍による気道狭窄は解除されていたが残存病変を認めたため追加切除を行った.結語.気管支内過誤腫に対する内視鏡的治療の選択肢の一つとして気管支鏡下クライオ療法による摘出術は有用である. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.46.4_236 |