音声操作中の警報音聴取に対する注意配分改善手法の検討

運転支援機能の普及により警報音等の聴覚情報が安全運転のためにより重要となる.しかし,音声操作中は,音像表現を付加した警報音の聴覚刺激反応時間が長くなる可能性が考えられる.本研究の目的は,運転中に音声操作を行いながら音像表現を付加した警報音を聴取する場面において,警報音の聴覚刺激反応時間を推定するパラメータを明確にすること,および,視覚刺激でドライバーの聴覚刺激反応時間の推定結果を提示する効果を検証することである.そのため,ドライビングシミュレータ(DS)を用いて2種類の実験を実施した.結果,警報音の聴覚刺激反応時間はステアリング操舵角の基本周波数標準偏差で推定可能なことが示された.また,聴覚刺...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in人間工学 Vol. 53; no. 3; pp. 75 - 84
Main Authors 伊藤, 一也, 田中, 健次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 20.06.2017
日本人間工学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:運転支援機能の普及により警報音等の聴覚情報が安全運転のためにより重要となる.しかし,音声操作中は,音像表現を付加した警報音の聴覚刺激反応時間が長くなる可能性が考えられる.本研究の目的は,運転中に音声操作を行いながら音像表現を付加した警報音を聴取する場面において,警報音の聴覚刺激反応時間を推定するパラメータを明確にすること,および,視覚刺激でドライバーの聴覚刺激反応時間の推定結果を提示する効果を検証することである.そのため,ドライビングシミュレータ(DS)を用いて2種類の実験を実施した.結果,警報音の聴覚刺激反応時間はステアリング操舵角の基本周波数標準偏差で推定可能なことが示された.また,聴覚刺激反応時間に基づく視覚刺激の色変化と,運転への不安感を感じるタイミングが合うと,聴覚刺激反応時間は運転に集中した場合の結果に近づくことが示された.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.53.75