気管支鏡検査で異なる内視鏡所見を認めた気管支結核の2例
背景.気管支結核の気管支鏡(bronchoscopy:BF)所見は様々である.当院で異なる内視鏡所見を呈した気管支結核の2例を報告する.症例①.61歳女性.胸部異常陰影で当院紹介された.胸部単純computed tomography(CT)写真で右S6に31×63×67 mmの腫瘤影と結節影,粒状影を認めた.BFでは右B6入口部の粘膜が発赤し白苔が散見され,抗酸菌塗抹陽性,結核菌ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction,PCR)陽性であり気管支結核と診断した.症例②.75歳女性.胸部単純CT写真で声門下浮腫と気管狭窄を認め,BFで主気管支に全周性の発赤と潰瘍形成...
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Published in | 気管支学 Vol. 46; no. 5; pp. 288 - 293 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本呼吸器内視鏡学会
25.09.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.46.5_288 |
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Summary: | 背景.気管支結核の気管支鏡(bronchoscopy:BF)所見は様々である.当院で異なる内視鏡所見を呈した気管支結核の2例を報告する.症例①.61歳女性.胸部異常陰影で当院紹介された.胸部単純computed tomography(CT)写真で右S6に31×63×67 mmの腫瘤影と結節影,粒状影を認めた.BFでは右B6入口部の粘膜が発赤し白苔が散見され,抗酸菌塗抹陽性,結核菌ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction,PCR)陽性であり気管支結核と診断した.症例②.75歳女性.胸部単純CT写真で声門下浮腫と気管狭窄を認め,BFで主気管支に全周性の発赤と潰瘍形成,狭窄を認めた.抗酸菌塗抹陽性,結核菌PCR陽性であり気管支結核と診断した.結果.気管支結核のBF所見では充血浮腫や粘膜発赤,潰瘍,瘢痕狭窄,白苔が知られ,本症例でも既知の気管支結核所見とは一致するものの,症例①では潰瘍や狭窄は認めず症例②では白苔を認めないなど異なる内視鏡所見であった.結論.BFで発赤や白苔を伴う潰瘍や瘢痕狭窄などを認めた際は気管支結核を強く疑い,検査時の感染対策が必要である. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.46.5_288 |