周術期歩行数が短期的・長期的な臨床結果に及ぼす影響

【目的】周術期歩行数が臨床結果に及ぼす影響を検討した. 【方法】対象は当院で大腸手術が行われた97例とし, 術後1週間までに3,000歩/日が未達成な場合を歩行不良と定義した. 短期的アウトカムは術後入院期間, 術後合併症, 歩行不良にかかわる因子を, 長期的アウトカムは術後半年までの筋肉量減少率を検討した. 【結果】全97例中, 28例(28.9%)が歩行不良だった. 患者背景では歩行不良群で直腸切除が多く(P=0.084), 貧血が有意に多かった(P=0.013). 歩行不良群で入院期間が有意に長く(P<0.001), 術後合併症が有意に多かった(P=0.003). 歩行不良因子につ...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 52; no. 2; pp. 131 - 139
Main Authors 松井亮太, 稲木紀幸, 能登恵理, 山本大輔, 伴登宏行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 2018
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Summary:【目的】周術期歩行数が臨床結果に及ぼす影響を検討した. 【方法】対象は当院で大腸手術が行われた97例とし, 術後1週間までに3,000歩/日が未達成な場合を歩行不良と定義した. 短期的アウトカムは術後入院期間, 術後合併症, 歩行不良にかかわる因子を, 長期的アウトカムは術後半年までの筋肉量減少率を検討した. 【結果】全97例中, 28例(28.9%)が歩行不良だった. 患者背景では歩行不良群で直腸切除が多く(P=0.084), 貧血が有意に多かった(P=0.013). 歩行不良群で入院期間が有意に長く(P<0.001), 術後合併症が有意に多かった(P=0.003). 歩行不良因子についてロジスティック回帰分析を行うと, 術後合併症(OR: 28.1, 95% CI: 1.88 - 419.6), 術前歩数3,000歩/日未満(OR: 29.9, 95% CI: 2.28 - 394.5)で有意差を認めた. 術後半年までの筋肉量減少率は有意差を認めなかった(P=0.468). 【結語】歩行不良は入院期間を長期化させた. 術前歩数3,000歩/日未満, 術後合併症は歩行不良にかかわり, リハの早期介入や単位数を増加すべき予測因子と考えられた.
ISSN:0389-5564
DOI:10.11638/jssmn.52.2_131