睡眠呼吸障害における夜間血圧への影響

睡眠呼吸障害における夜間血圧への影響を知るために, 65名の患者に終夜モニター及び夜間連続血圧測定を施行した. さらに31名に手術加療を施行し, 術前後の比較を行った. 重症度は, AHI, 低酸素暴露時間 (Desaturation Time: DT), 及び血圧変動値 (BP change) について判定を行った. 術前の検討において, DTと血圧変動との間に有意な相関を認め, 夜間血圧への影響を推測するのに有効であると思われた. 手術加療による改善率50%以上の割合 (有効率) はAHI 19/31 (61.3%) で, DT・BP changeはそれぞれ21/31 (67.7%), 1...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 100; no. 6; pp. 678 - 684
Main Authors 長谷川, 清一, 柴田, 修宏, 西村, 忠郎, 森島, 夏樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 1997
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.100.678

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Summary:睡眠呼吸障害における夜間血圧への影響を知るために, 65名の患者に終夜モニター及び夜間連続血圧測定を施行した. さらに31名に手術加療を施行し, 術前後の比較を行った. 重症度は, AHI, 低酸素暴露時間 (Desaturation Time: DT), 及び血圧変動値 (BP change) について判定を行った. 術前の検討において, DTと血圧変動との間に有意な相関を認め, 夜間血圧への影響を推測するのに有効であると思われた. 手術加療による改善率50%以上の割合 (有効率) はAHI 19/31 (61.3%) で, DT・BP changeはそれぞれ21/31 (67.7%), 14/31 (45.2%) であった. 術前の重症度判定においてAHI≧50, DT≧40%のものがそれぞれ10例, 18例あり, さらにBP change≧40mmHgのものは19例認められた. これらが術後には, それぞれ1, 5, 2例となり, 他はすべて満足のいく効果が得られ, 手術加療による効果が認められた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.100.678