耳下腺癌の臨床的検討
1972年から1997年までに国立病院九州がんセンターにて一次治療を行った耳下腺癌42例を対象に臨床的検討を行った. 全体の累積5年生存率は69%であり, M (+) 症例を除く根治治療例 (n=40) では72%であった. stage別ではstage I (21例): 95%, stage II (4例): 75%, stage III (1例): 0%, stage IV (16例): 37%であった. T3, T4例 (p<0.05), stage III, IV例 (p<0.01), 頸部リンパ節転移を認める症例 (p<0.01) は有意に予後不良であった. 治療法を...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 102; no. 7; pp. 883 - 890 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
1999
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.102.883 |
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Summary: | 1972年から1997年までに国立病院九州がんセンターにて一次治療を行った耳下腺癌42例を対象に臨床的検討を行った. 全体の累積5年生存率は69%であり, M (+) 症例を除く根治治療例 (n=40) では72%であった. stage別ではstage I (21例): 95%, stage II (4例): 75%, stage III (1例): 0%, stage IV (16例): 37%であった. T3, T4例 (p<0.05), stage III, IV例 (p<0.01), 頸部リンパ節転移を認める症例 (p<0.01) は有意に予後不良であった. 治療法を検討した結果, T1症例には葉部分切除以上, T2症例には葉切除術以上の術式が必要であると考えられた. また, 頸部の処理について, 術前に頸部転移が認められない場合であっても, 組織学的に粘表皮癌 (高悪性型), 未分化癌であるT4症例に対しては予防的上頸部郭清術が必要であると考えられた. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.102.883 |