術後のPPNに脂肪乳剤は必要か

栄養管理の基本は経腸栄養であることはいうまでもない. しかし術後早期には経口摂取が不十分であるため, 3大栄養素を含む静脈栄養を併用した効果的な栄養管理が必要となる. 2013年には本邦独自の静脈経腸栄養ガイドラインが改定され, 静脈栄養を行うに当たっては, 脂肪乳剤の投与が原則とされている. 術後早期の脂肪乳剤投与による合併症も危惧されるが, 投与速度に留意するなどの対策により安全に投与可能である. 「I はじめに」 栄養療法を選択する際の基本として, 腸管が使用可能であれば腸管からの栄養投与を第一に考える. しかし消化器外科領域の周術期においては経腸栄養のみで十分な栄養を確保できない場合も...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 49; no. 5; pp. 227 - 232
Main Authors 井田, 智, 比企, 直樹, 峯, 真司, 布部, 創也, 熊谷, 厚志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 2015
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ISSN0389-5564
2187-5154
DOI10.11638/jssmn.49.5_227

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Summary:栄養管理の基本は経腸栄養であることはいうまでもない. しかし術後早期には経口摂取が不十分であるため, 3大栄養素を含む静脈栄養を併用した効果的な栄養管理が必要となる. 2013年には本邦独自の静脈経腸栄養ガイドラインが改定され, 静脈栄養を行うに当たっては, 脂肪乳剤の投与が原則とされている. 術後早期の脂肪乳剤投与による合併症も危惧されるが, 投与速度に留意するなどの対策により安全に投与可能である. 「I はじめに」 栄養療法を選択する際の基本として, 腸管が使用可能であれば腸管からの栄養投与を第一に考える. しかし消化器外科領域の周術期においては経腸栄養のみで十分な栄養を確保できない場合もあり, 静脈栄養(特に短期間の末梢静脈栄養peripheral parenteral nutrition; PPN)を併用することが多い. PPNにおける脂肪乳剤は, エネルギー源として, あるいは必須脂肪酸補給源としてその意義は広く認められている.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.49.5_227