ブドウ糖の点滴静注にてrefeeding症候群を疑う臨床経過を呈した筋萎縮性側索硬化症の1例

69歳女性.筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis,以下ALSと略記)のため気管切開され,人工呼吸器を装着していた.浮腫に対し利尿薬を使用している.BMIは21.5 ‍kg/m2で安定していた.胆道感染症による嘔吐のため入院し,ブドウ糖を含む点滴(286 ‍kcal/日)を開始したところ,頻脈(120/分),腹痛,低リン血症(補正:60 ‍mmol/日),低カリウム血症(補正:60 mEq/日),耐糖能異常を認め,refeeding症候群を疑った.対症療法にて症状は改善した.進行期ALS患者では栄養摂取不良が無くとも,末梢点滴中のブドウ糖でrefeedi...

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Published in臨床神経学 Vol. 65; no. 5; pp. 372 - 375
Main Authors 下畑, 享良, 吉倉, 延亮, 岩佐, 悠平, 山原, 直紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2025
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-002086

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Summary:69歳女性.筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis,以下ALSと略記)のため気管切開され,人工呼吸器を装着していた.浮腫に対し利尿薬を使用している.BMIは21.5 ‍kg/m2で安定していた.胆道感染症による嘔吐のため入院し,ブドウ糖を含む点滴(286 ‍kcal/日)を開始したところ,頻脈(120/分),腹痛,低リン血症(補正:60 ‍mmol/日),低カリウム血症(補正:60 mEq/日),耐糖能異常を認め,refeeding症候群を疑った.対症療法にて症状は改善した.進行期ALS患者では栄養摂取不良が無くとも,末梢点滴中のブドウ糖でrefeeding症候群を発症する可能性がある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-002086