当院における気管支肺胞洗浄での鎮静薬使用の有無による気管支肺胞洗浄液の回収率に関する後方視的検討
背景.本邦で気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage:BAL)の際に鎮静薬を常時使用する施設は37%に留まる.鎮静薬使用による気管支肺胞洗浄液(bronchoalveolar lavage fluid:BALF)の回収率や合併症への影響は明らかでない.BALにおいて鎮静薬,特にフェンタニル(FNT)を使用することでBALF回収率が向上したかどうかを検討する目的に本研究を行った.対象と方法.2019年7月1日から2021年6月30日までに当院でBALを施行した患者180名を対象とした.無鎮静群,ミダゾラム(MDZ)群,MDZ+FNT群の3群に分けて,BALF回収率,鎮静薬の使...
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Published in | 気管支学 Vol. 46; no. 1; pp. 13 - 19 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
25.01.2024
日本呼吸器内視鏡学会 |
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Summary: | 背景.本邦で気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage:BAL)の際に鎮静薬を常時使用する施設は37%に留まる.鎮静薬使用による気管支肺胞洗浄液(bronchoalveolar lavage fluid:BALF)の回収率や合併症への影響は明らかでない.BALにおいて鎮静薬,特にフェンタニル(FNT)を使用することでBALF回収率が向上したかどうかを検討する目的に本研究を行った.対象と方法.2019年7月1日から2021年6月30日までに当院でBALを施行した患者180名を対象とした.無鎮静群,ミダゾラム(MDZ)群,MDZ+FNT群の3群に分けて,BALF回収率,鎮静薬の使用量,合併症の有無について,診療録を用いて後方視的に検討した.結果.対象患者のうち無鎮静群は19例,MDZ群は101例,MDZ+FNT群は60例であった.患者背景に有意差はなく,合併症は3群とも認めなかった.3群間でBALF回収率に有意差はなかったが,無鎮静群よりMDZ群,MDZ群よりMDZ+FNT群でBALF回収率が向上する傾向にあった.また,MDZ+FNT群ではMDZ群と比較しMDZ使用量は有意に少なかった.結論.BALの際に鎮静薬を使用,特にMDZとFNTを併用することにより,合併症を増加させることなくBALF回収率を向上できる可能性がある. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.46.1_13 |