小開腹にて修復した外傷性左横隔膜ヘルニアの1例

症例は64歳,女性。軽乗用車を運転中に乗用車と衝突し受傷した。胸部X線検査,CT検査にて左胸腔内に腹腔内臓器の脱出を認め,外傷性左横隔膜ヘルニアの診断にて開腹手術を施行した。剣状突起下10cmの皮膚切開による小開腹で行なった。左横隔膜腱中心に約8cmの損傷部を認め,ここより胃が胸腔内に脱出していた。胸腹腔内臓器に合併損傷を認めなかった。横隔膜損傷部を単結節縫合,閉鎖した。循環動態が安定し,臓器損傷のない外傷性横隔膜ヘルニア手術に際して,小開腹アプローチは損傷部位への到達と検索が容易である。また,修復の面でも直視下に確実に行なうことができることから,有用なアプローチと考える。...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 68; no. 5; pp. 654 - 658
Main Authors 小佐々, 博明, 長谷川, 博康, 多田, 耕輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2020
日本農村医学会
Subjects
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.68.654

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Summary:症例は64歳,女性。軽乗用車を運転中に乗用車と衝突し受傷した。胸部X線検査,CT検査にて左胸腔内に腹腔内臓器の脱出を認め,外傷性左横隔膜ヘルニアの診断にて開腹手術を施行した。剣状突起下10cmの皮膚切開による小開腹で行なった。左横隔膜腱中心に約8cmの損傷部を認め,ここより胃が胸腔内に脱出していた。胸腹腔内臓器に合併損傷を認めなかった。横隔膜損傷部を単結節縫合,閉鎖した。循環動態が安定し,臓器損傷のない外傷性横隔膜ヘルニア手術に際して,小開腹アプローチは損傷部位への到達と検索が容易である。また,修復の面でも直視下に確実に行なうことができることから,有用なアプローチと考える。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.68.654