残胃の異所性胃腺に随伴した粘膜下層浸潤癌の一例
「緒言」粘膜下異所性胃腺とは本来粘膜固有層にある胃腺組織が粘膜下に異所性に認められるものを意味する. しばしば胃癌を合併し, 中には異所性胃腺自体の癌化を示唆する報告もある. 今回我々は残胃の異所性胃腺に随伴した早期胃癌の一例を経験したので報告する. 「症例」60歳代, 男性 主訴: なし 既往歴: 十二指腸潰瘍穿孔に対しBillroth-II法術後(18歳) 現病歴: X-7年に初診し, 残胃大弯の0-I型早期胃癌をESD(治癒切除)した. 抗ピロリIgG 44U/ml, 尿素呼気試験陰性であった. X-5年より吻合部口側の亜全周性隆起が明瞭化し, X-14ヵ月に行なった超音波内視鏡検査では...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 102; no. 1; pp. 55 - 58 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
30.06.2023
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.102.1_55 |
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Summary: | 「緒言」粘膜下異所性胃腺とは本来粘膜固有層にある胃腺組織が粘膜下に異所性に認められるものを意味する. しばしば胃癌を合併し, 中には異所性胃腺自体の癌化を示唆する報告もある. 今回我々は残胃の異所性胃腺に随伴した早期胃癌の一例を経験したので報告する. 「症例」60歳代, 男性 主訴: なし 既往歴: 十二指腸潰瘍穿孔に対しBillroth-II法術後(18歳) 現病歴: X-7年に初診し, 残胃大弯の0-I型早期胃癌をESD(治癒切除)した. 抗ピロリIgG 44U/ml, 尿素呼気試験陰性であった. X-5年より吻合部口側の亜全周性隆起が明瞭化し, X-14ヵ月に行なった超音波内視鏡検査では隆起に一致した粘膜下多房性無エコー域を認め, 粘膜下異所性胃腺である事が確認された. X年の内視鏡では不整小陥凹が出現し, 生検で中~低分化型腺癌を検出し, 残胃全摘術の方針とした. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.102.1_55 |