乳腺診療におけるMRIの位置づけと検診への応用の可能性について
「抄録」MRIの普及とその性能の進歩には目覚ましいものがあり, 乳腺疾患の診療においても, 乳癌術前の広がり診断を目的にMRIは必要不可欠な検査となった. その高い病変検出能を乳癌検診に応用する試みも始まっているが, MRIの能力と限界をよく理解し, 個々の患者に的確な情報を提供できるような, 総合的な知識が求められている. 「はじめに」乳癌が女性の罹患癌の第一位となってから数年が経過したが, 現在もその増加傾向は続いている(図1)1). 乳癌の罹患年齢としては, 最近は高齢者での増加傾向も目立ってきているものの, 依然として40歳代後半にピークがあり, 他の悪性腫瘍とは異なった特徴をもつ(図...
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Published in | 総合健診 Vol. 40; no. 2; pp. 274 - 280 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本総合健診医学会
2013
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Summary: | 「抄録」MRIの普及とその性能の進歩には目覚ましいものがあり, 乳腺疾患の診療においても, 乳癌術前の広がり診断を目的にMRIは必要不可欠な検査となった. その高い病変検出能を乳癌検診に応用する試みも始まっているが, MRIの能力と限界をよく理解し, 個々の患者に的確な情報を提供できるような, 総合的な知識が求められている. 「はじめに」乳癌が女性の罹患癌の第一位となってから数年が経過したが, 現在もその増加傾向は続いている(図1)1). 乳癌の罹患年齢としては, 最近は高齢者での増加傾向も目立ってきているものの, 依然として40歳代後半にピークがあり, 他の悪性腫瘍とは異なった特徴をもつ(図2)1). 乳癌は主要癌の中では比較的生存率の高い癌といわれ(図3)2), 早期に発見すれば治癒も期待できる. よって乳癌検診の普及すなわち受診率向上が急務となっている. 乳腺の画像診断としては, 乳房撮影(マンモグラフィ)と超音波が2本柱である. |
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ISSN: | 1347-0086 |
DOI: | 10.7143/jhep.40.274 |