頭部先天性皮膚洞の治療経過と病変残存のリスクについて:当院の5例の経験

頭部先天性皮膚洞の手術症例について後方視的に検討した.手術介入時の年齢中央値は1歳7か月,病変の分布としては鼻部1例,後頭部2例,側頭部2例で,術前感染例は鼻部1例,側頭部2例であった.手術介入後に鼻部および側頭部病変に1例ずつ残存を疑う所見を認め,いずれも術前感染例であった.頭部先天性皮膚洞の感染例では治療に際し事前の十分な画像検討や,他診療科も含めた治療介入の検討を要すると考える.術後の皮膚洞残存が疑われた2例のように,皮膚洞周囲の構造が炎症により不明瞭となり摘出が不十分になることがある....

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Published in小児の脳神経 Vol. 48; no. 3; pp. 315 - 320
Main Authors 福山, 龍太郎, 広川, 大輔, 田中, 水緒, 佐藤, 博信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児神経外科学会 2023
日本小児神経外科学会
Subjects
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ISSN0387-8023
2435-824X
DOI10.34544/jspn.48.3_315

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Summary:頭部先天性皮膚洞の手術症例について後方視的に検討した.手術介入時の年齢中央値は1歳7か月,病変の分布としては鼻部1例,後頭部2例,側頭部2例で,術前感染例は鼻部1例,側頭部2例であった.手術介入後に鼻部および側頭部病変に1例ずつ残存を疑う所見を認め,いずれも術前感染例であった.頭部先天性皮膚洞の感染例では治療に際し事前の十分な画像検討や,他診療科も含めた治療介入の検討を要すると考える.術後の皮膚洞残存が疑われた2例のように,皮膚洞周囲の構造が炎症により不明瞭となり摘出が不十分になることがある.
ISSN:0387-8023
2435-824X
DOI:10.34544/jspn.48.3_315