分離肺換気デバイスの選択に周到な麻酔計画を要した腹臥位鏡視下食道亜全摘術の2症例

当院の腹臥位鏡視下食道亜全摘術では,気管支の可動性を高めて術操作を効率化するために,らせん入り気管チューブと気管支ブロッカーで分離肺換気を行っているが,この方法が適用困難な症例も存在する.症例1では根治的なリンパ節郭清を行うために両側開胸が必要であり,先端がY型に分岐したEZブロッカーを留置し順次分離側の切替えを行った.症例2では気管から右上葉に分岐する気管気管支を認め,ブロッカーを2本用いて上葉枝と中下葉枝をそれぞれブロックした.いずれの症例も分離肺換気は良好であった.腹臥位食道亜全摘術では気道確保手段が制約されるので,解剖学的異常や術式に適したデバイスを選択するなど周到な麻酔計画が求められ...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 42; no. 1; pp. 13 - 20
Main Authors 真鍋, 優希子, 小宮, 良輔, 田中, 温子, 佐々木, 利佳, 廣田, 弘毅, 山崎, 光章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.01.2022
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Summary:当院の腹臥位鏡視下食道亜全摘術では,気管支の可動性を高めて術操作を効率化するために,らせん入り気管チューブと気管支ブロッカーで分離肺換気を行っているが,この方法が適用困難な症例も存在する.症例1では根治的なリンパ節郭清を行うために両側開胸が必要であり,先端がY型に分岐したEZブロッカーを留置し順次分離側の切替えを行った.症例2では気管から右上葉に分岐する気管気管支を認め,ブロッカーを2本用いて上葉枝と中下葉枝をそれぞれブロックした.いずれの症例も分離肺換気は良好であった.腹臥位食道亜全摘術では気道確保手段が制約されるので,解剖学的異常や術式に適したデバイスを選択するなど周到な麻酔計画が求められる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.42.13