上下顎移動術における下顎近位骨片復位法の違いによる下顎頭の位置再現性の評価

「緒言」近年, 顎矯正手術の適応は拡大しており, 上下顎移動術の適応症例は増加傾向にある. その中で, 術後に適切な咬合状態を獲得するためには術前の下顎頭の位置を術後も維持することが重要と考えられる. また, 手術による下顎頭の位置の変化は, 術後の下顎頭の吸収も起こすことが言われている. そのため, 術者の経験則による下顎枝近位骨片の可及的復位法や, 様々な下顎頭位置決め装置(condylar positioning devices : CPDs)を用いた下顎頭の復位法が多数報告されてきた. しかし, その多くが下顎枝矢状分割術(Sagittal split ramus osteotomy...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 24; no. 3; pp. 203 - 210
Main Authors 松下祐樹, 中久木康一, 小杉真智子, 儀武啓幸, 黒原一人, 原田清
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 15.08.2014
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Summary:「緒言」近年, 顎矯正手術の適応は拡大しており, 上下顎移動術の適応症例は増加傾向にある. その中で, 術後に適切な咬合状態を獲得するためには術前の下顎頭の位置を術後も維持することが重要と考えられる. また, 手術による下顎頭の位置の変化は, 術後の下顎頭の吸収も起こすことが言われている. そのため, 術者の経験則による下顎枝近位骨片の可及的復位法や, 様々な下顎頭位置決め装置(condylar positioning devices : CPDs)を用いた下顎頭の復位法が多数報告されてきた. しかし, その多くが下顎枝矢状分割術(Sagittal split ramus osteotomy : SSRO)など下顎単独手術症例に対するもので, 上下顎移動術症例を対象とした報告は少ない. さらに上下顎移動術において, 上顎骨片の位置を決定するための有用なシステムについての報告は散見される程度である. 今回われわれは上下顎移動術において, 2種類の異なるシステムを用いて下顎枝近位骨片の完全復位を行い, それらによる下顎頭の位置再現性を検討したので報告する.
ISSN:0916-7048
DOI:10.5927/jjjd.24.203