CLEIA法とLA法による血清Helicobacter pylori抗体検査結果とABC分類判定に及ぼす影響

【目的】血清Helicobacter pylori(HP)抗体検査において、測定法の違い(CLEIA法とLA法)により検出結果にどう違いが出るか検討した。また、得られた結果によりABC分類(胃がんリスク判定)にどのような影響があるかを検討の目的とした。 【対象】2016年8月より、当施設でHP抗体検査・ペプシノゲン(PG)検査を実施した受診者を対象とした。対象受診者は人間ドック・健康診断受診者合わせて199例である。 【方法】CLEIA法による検査は、SphereLight Wakoを用いた。専用試薬である「スフィアライトH.ピロリ抗体・J,ペプシノゲンI・II」を使用した。LA法による検査は...

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Published in総合健診 Vol. 44; no. 6; pp. 825 - 831
Main Authors 眞崎, 正, 栗原, 達哲, 木下, 正行, 八巻, 悟郎, 高築, 勝義, 中道, 陽子, 山縣, 文夫, 及川, 孝光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本総合健診医学会 2017
日本総合健診医学会
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ISSN1347-0086
1884-4103
DOI10.7143/jhep.44.825

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Summary:【目的】血清Helicobacter pylori(HP)抗体検査において、測定法の違い(CLEIA法とLA法)により検出結果にどう違いが出るか検討した。また、得られた結果によりABC分類(胃がんリスク判定)にどのような影響があるかを検討の目的とした。 【対象】2016年8月より、当施設でHP抗体検査・ペプシノゲン(PG)検査を実施した受診者を対象とした。対象受診者は人間ドック・健康診断受診者合わせて199例である。 【方法】CLEIA法による検査は、SphereLight Wakoを用いた。専用試薬である「スフィアライトH.ピロリ抗体・J,ペプシノゲンI・II」を使用した。LA法による検査は、外注先にて「LZテスト‘栄研’H.ピロリ抗体」を使用した。それぞれのHP抗体陽性率と、得られた結果によるABC分類判定について比較・検討した(HP抗体検査cut off値:CLEIA法 4単位/mL、LA法 10U/mL)。 【結果】HP抗体検査結果は、CLEIA法では199例中27例(13.6%)が陽性であった。LA法では、15例(7.5%)が陽性であった。両方法とも陽性となったのは、13例(6.5%)であった。HP抗体検査結果が、不一致となったのは16例あった。16例中、CLEIA 法のみ陽性は14例、LA法のみ陽性は2例であった。ABC分類判定の一致率は、92.0%であった。 【考察】HP抗体検査において、LA法に比べCLEIA法の陽性率が高くなった。原因は、(1)cut off値の相違、(2)検出感度の違い、(3)試薬中抗原株の違いが考えられる。胃がんリスク判定検査としてのABC分類では、偽陰性を低減するかが重要である。今回の結果より、検出率がより高かったCLEIA法の有用性が示唆された。
ISSN:1347-0086
1884-4103
DOI:10.7143/jhep.44.825