助産師の実践するリモート立会い出産のケアの提供方法とその課題

本研究は、リモート立会い出産のケアの提供方法とその課題を明らかにすることを目的とした。リモート立会い出産に関わっている助産師に対して半構成的面接によりデータを収集し、質的帰納的に分析した結果、8テーマに集約された。【産婦が望むリモート立会い出産に向けた準備の促し】、【リモートで立会う夫の出産・誕生への巻き込み】を含む6テーマは助産師が工夫しているケアの提供方法であり、【立会者と離れていることにより生じる混乱】、【立会者が出産の場にいないことによる弊害】の2テーマは助産師がケア提供時に認識した課題であった。以上より、助産師は当事者が望むリモート立会い出産を実現できるように、出産前から産婦と立会者...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本母性看護学会誌 Vol. 23; no. 2; pp. 24 - 31
Main Authors 遠山, 房絵, 森, 恵美, 岩田, 裕子, 前原, 邦江, 木村, 佳代子, 桟, あさな
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本母性看護学会 30.03.2023
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:本研究は、リモート立会い出産のケアの提供方法とその課題を明らかにすることを目的とした。リモート立会い出産に関わっている助産師に対して半構成的面接によりデータを収集し、質的帰納的に分析した結果、8テーマに集約された。【産婦が望むリモート立会い出産に向けた準備の促し】、【リモートで立会う夫の出産・誕生への巻き込み】を含む6テーマは助産師が工夫しているケアの提供方法であり、【立会者と離れていることにより生じる混乱】、【立会者が出産の場にいないことによる弊害】の2テーマは助産師がケア提供時に認識した課題であった。以上より、助産師は当事者が望むリモート立会い出産を実現できるように、出産前から産婦と立会者双方を意識して出産準備教育を行うとともに、出産時には対面ケアとリモートへのケアを同時並行で実践していることが明らかになった。また、立会い中に想定外の出来事が生じることもあり、妊娠中からのケアの重要性が示唆された。
ISSN:1345-773X
2434-6187
DOI:10.32305/jjsmn.23.2_24