松花堂弁当箱の使用により食事摂取方法が安全になった1症例の経験
「はじめに」 認知症に伴う摂食・嚥下障害でよくみられる摂食行動のひとつに「早食い」「詰め込み」等が挙げられている1). 認知症が存在すると, 先行期が障害され, 摂食行為のプログラミングの異常が生じる. そして, 速く食べることが問題となる2). 認知症症例の中でも, 自己摂食が可能な症例であるほど, 一口量が多くなったり, 口に入れるペースも極端に速くなったりして, 嚥下機能と一口量・ペースの不均衡が生じる場合が多くなるといわれる3). 当院においても, 自己摂食が可能な認知症高齢者の「詰め込み」がしばしば問題になる. よく観察される「詰め込み」のひとつに, 器を口につけてスプーンで次々とか...
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Published in | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 17; no. 3; pp. 251 - 253 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
31.12.2013
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会 |
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Summary: | 「はじめに」 認知症に伴う摂食・嚥下障害でよくみられる摂食行動のひとつに「早食い」「詰め込み」等が挙げられている1). 認知症が存在すると, 先行期が障害され, 摂食行為のプログラミングの異常が生じる. そして, 速く食べることが問題となる2). 認知症症例の中でも, 自己摂食が可能な症例であるほど, 一口量が多くなったり, 口に入れるペースも極端に速くなったりして, 嚥下機能と一口量・ペースの不均衡が生じる場合が多くなるといわれる3). 当院においても, 自己摂食が可能な認知症高齢者の「詰め込み」がしばしば問題になる. よく観察される「詰め込み」のひとつに, 器を口につけてスプーンで次々とかき込む摂食動作(以下, かき込み食べ)がある. この摂食動作は, 一口が多量になりやすく, 1回の嚥下量の適正を保つことができず, 誤嚥・窒息リスクが高くなると考えられる. われわれは, このかき込み食べに対し「松花堂弁当箱」を使い, 誤嚥を回避した症例を何例か経験したので, その代表例を挙げて報告する. |
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ISSN: | 1343-8441 2434-2254 |
DOI: | 10.32136/jsdr.17.3_251 |