腹腔鏡下膵体尾部切除後に局所再発し,主膵管内進展,Vater乳頭からの腫瘍脱出を認めた膵神経内分泌腫瘍G3の一例

55歳の女性.検診で膵尾部の腫瘍を指摘され,腹腔鏡下膵体尾部切除術が施行された.病理検査の結果,PanNET G3(Ki-67指数>20%)と診断された.術後7ヶ月で胆管拡張と肝機能異常(AST:171U/l,ALT:86U/l)を認めた.腹部造影CTで主膵管内から十二指腸乳頭に充満する腫瘍を認め,上部消化管内視鏡検査では,Vater乳頭から赤色で白苔を有する乳頭状腫瘍の露出を認めたため,残膵全摘出術を施行した.免疫染色ではsynaptophysin,chromogranin Aが陽性で,Ki-67指数は30~40%であり,PanNET G3の再発と診断された.患者は2回目手術から24ヶ月無再...

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Published in膵臓 Vol. 39; no. 1; pp. 72 - 78
Main Authors 加藤, 宏之, 浅野, 之夫, 伊東, 昌広, 荒川, 敏, 志村, 正博, 小池, 大助, 越智, 隆之, 河合, 永季, 安岡, 宏展, 東口, 貴彦, 国村, 祥樹, 谷, 大輝, 堀口, 和真, 永田, 英俊, 近藤, ゆか, 佐藤, 美信, 加藤, 悠太郎, 花井, 恒一, 堀口, 明彦, 浦野, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本膵臓学会 29.02.2024
日本膵臓学会
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Summary:55歳の女性.検診で膵尾部の腫瘍を指摘され,腹腔鏡下膵体尾部切除術が施行された.病理検査の結果,PanNET G3(Ki-67指数>20%)と診断された.術後7ヶ月で胆管拡張と肝機能異常(AST:171U/l,ALT:86U/l)を認めた.腹部造影CTで主膵管内から十二指腸乳頭に充満する腫瘍を認め,上部消化管内視鏡検査では,Vater乳頭から赤色で白苔を有する乳頭状腫瘍の露出を認めたため,残膵全摘出術を施行した.免疫染色ではsynaptophysin,chromogranin Aが陽性で,Ki-67指数は30~40%であり,PanNET G3の再発と診断された.患者は2回目手術から24ヶ月無再発生存中である.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.39.72