頭痛性疾患における臨床神経機能検査

近年急速に進歩している脳機能画像診断法,特にMRI を用いて行うfMRI(functional magnetic resonance imaging)やVBM(Voxel-based morphometry)は低侵襲で簡便に繰り返し行えることより,片頭痛や群発頭痛の病態について多くの新たな知見が報告されている.片頭痛については,fMRI,安静時fMRI,VBM より片頭痛発作周期に伴い,疼痛刺激に対する活性化部位や視床下部との結合能が変化し,体積も疼痛処理に関する部位を中心に発作期と発作間欠期で変化することが示されてきた.群発頭痛では,fMR とVBM を用いて視床下部の活性化と細胞密度の増加...

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Published in日本臨床生理学会雑誌 Vol. 49; no. 3; pp. 113 - 123
Main Author 今井, 昇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床生理学会 01.08.2019
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ISSN0286-7052
2435-1695
DOI10.34363/jocp.49.3_113

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Summary:近年急速に進歩している脳機能画像診断法,特にMRI を用いて行うfMRI(functional magnetic resonance imaging)やVBM(Voxel-based morphometry)は低侵襲で簡便に繰り返し行えることより,片頭痛や群発頭痛の病態について多くの新たな知見が報告されている.片頭痛については,fMRI,安静時fMRI,VBM より片頭痛発作周期に伴い,疼痛刺激に対する活性化部位や視床下部との結合能が変化し,体積も疼痛処理に関する部位を中心に発作期と発作間欠期で変化することが示されてきた.群発頭痛では,fMR とVBM を用いて視床下部の活性化と細胞密度の増加,中脳との結合能の変化が示されている.これらのfMRI,VBM の研究から,片頭痛ならびに群発頭痛は構造的,機能結合的にダイナミックに変化する疾患であることが明らかになってきた.
ISSN:0286-7052
2435-1695
DOI:10.34363/jocp.49.3_113