食道静脈瘤上の早期食道癌に対しEVL後ESDを施行した一例

「I 緒言」 食道静脈瘤に合併する食道癌の内視鏡治療では, 出血リスクが高く, 出血が制御できず中止となる症例もある. 今回我々は, 食道静脈瘤上に発生した早期食道癌に対して静脈瘤結紮術(EVL)を先行し, 偶発症なく内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行し得た1例を経験したので報告する. 「II 症例」 患者 : 78歳, 男性. 主訴 : 特になし. 現病歴 : 2010年からアルコール性肝硬変, 胃癌術後で当院消化器外科通院中であった. 2021年1月定期検査の上部消化管内視鏡検査を受けた際, 食道静脈瘤(Lm, F1, Cb, RC0)に加え, 中部食道後壁の静脈瘤上に食道表在癌を疑う...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 100; no. 1; pp. 77 - 79
Main Authors 宇野, 昭毅, 山川, 俊, 岡田, 侑大, 高田, 記代子, 絹川, 典子, 栗藤, 克巳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 30.06.2022
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.100.1_77

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Summary:「I 緒言」 食道静脈瘤に合併する食道癌の内視鏡治療では, 出血リスクが高く, 出血が制御できず中止となる症例もある. 今回我々は, 食道静脈瘤上に発生した早期食道癌に対して静脈瘤結紮術(EVL)を先行し, 偶発症なく内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行し得た1例を経験したので報告する. 「II 症例」 患者 : 78歳, 男性. 主訴 : 特になし. 現病歴 : 2010年からアルコール性肝硬変, 胃癌術後で当院消化器外科通院中であった. 2021年1月定期検査の上部消化管内視鏡検査を受けた際, 食道静脈瘤(Lm, F1, Cb, RC0)に加え, 中部食道後壁の静脈瘤上に食道表在癌を疑う病変を認めたため, 精査加療目的にて消化器内科紹介となった. 生活歴 : 飲酒 ; 多量(2010年以降は禁酒). 喫煙 ; 20本/日×44年. 既往歴 : 胃癌, 幽門側胃切除(2010年). 入院時血液検査所見 : 血小板数11.3万/μLと低下を認めた. Child-pugh分類は5点でAであった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.100.1_77